デイリーレポート(2019年6月24日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日NY市場で10年債利回りが2%を割り込む動きとなったことから東京市場でもドル売りが先行し、昼過ぎには107.05レベルの安値をつけました。しかし、後場以降は週末前のポジション調整が見られ、財務官も為替市場を注視しているとの発言が重なり買い戻しの動きが目立ちました。NY市場では長期債利回りも上昇に転じ、株式市場ではダウが週間高値を更新しとドルの買い戻しが107円台後半まで進みましたが、引けにかけては前半に押して引けています。

いっぽうユーロドルは、欧州市場序盤までは方向感がはっきりしない展開が続いていましたが、前日高値を上回るとテクニカルな買いが目立ちました。その後強めの経済指標も買い要因となり、ユーロドルだけでなく主要通貨に対してユーロが全面高の動きへとつながりました。NY市場では7日高値の1.1348レベルも上抜けストップオーダーも巻き込みながら一段高、1.1378レベルの高値をつけそのまま高値圏での引けとなりました。

ドル円は、米長期金利の低下とともに107円間近の水準まで下げる動きを見せました。テクニカルには下降チャンネルの中での下値模索を継続中で、中期的なターゲットとして次は106円台半ばが考えられます。財務官が円高を注視するとの発言もありましたが、日米通商協議が継続中であることを考えると現在の水準で介入が出ることはあり得ませんし、1月3日の水準や100円の大台を割り込んでも、注視するという発言以外は出てくることはありません。ここはドル安の流れに逆らわない方が賢明です。本日も基本は戻り売り、107.55レベルをレジスタンスに107.05レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは完全にユーロ高トレンドに戻してきています。ユンケル委員長のブレグジット条件は見直さないといった発言や、英国与党党首選挙でジョンソン元外相が優位でハードブレグジットの可能性が高まっていることもほとんで影響が無いままにユーロ買いが終始先行する1日でした。6月上旬のユーロ高トレンドに対して、その後いったん下押ししたことで、改めて売りで攻めていたところを先週後半の反転上昇で一気に踏み上げさせられた印象です。ただ、これでこのままユーロ高に進むかどうか未だ確信が持てず、今週は方向性を探る一週間となりそうです。本日はユーロドルは底堅さを継続し1.1350〜00、ユーロ円はもみあいを考え121.85〜122.35とします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートはこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf



配信日:2019年6月24日