6月21日マーケットレポート(2019年6月21日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日のFOMC以降の株高とドル安の流れを継続しました。東京市場が始まると米国10年債の利回りが2%を割り込む動きとともにドル全面安の流れとなって、108円割れ。その後もドル売りの動きが続き日銀会合も黒田総裁会見も目立った影響は見られませんでした。後場には107円台半ばまで水準を切り下げた後に買い戻しも入りましたが、NY市場では米国とイランとの緊張の高まりもあって株価とともにリスクオフの円買いとなりました。引け間際には107.21レベルの安値をつけそのまま安値圏での引けとなりました。いっぽうユーロドルは、ドル全面安の動きの中で順調に水準を切り上げ、NYの朝方には1.1317レベルの高値をつけました。しかし、1.13台では売りが見られたこと、またリスクオフの動きからユーロ円が水準を切り下げたことで、50pips弱の下げを見た後に引けは1.12台後半へと戻しています。

ドル円は107円台前半へと水準を下げてきたことで、フラッシュクラッシュのあった1月3日以来の安値となってきました。金利先安感も中東の緊張も円高に作用しやすく、株高となってもドル円は上値の重たい展開が続きそうです。年初来安値(104.90)と高値(112.41)の61.8%押しにあたる107.76を大きく割り込んできたことから、次は78.6%(61.8%の平方根)押しとなる106.50をターゲットとしやすい展開と言えます。本日は107.00レベルをサポートに107.60レベルをレジスタンスとします。

ユーロドルはドル安とはいえ、ECB追加緩和の発言後に1.13台を回復するとは全くの想定外です。これで上抜け失敗、元の下降トレンドへの回帰も失敗と、ユーロは方向感を見出しにくくなってきました。米国政策金利が実際に下がってくるとECBもという見方が改めて出てくるとは思いますが、それまではユーロについてはもみあい入りと見ていた方が良さそうです。ただ本日のところは昨日の流れを受けやや底堅い展開を想定しユーロドルは1.1270〜1.1320、ユーロ円はドル円の上値の重たい動きの影響が強く120.90〜121.50のレンジとします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf



配信日:2019年6月21日