デイリーレポート(2023年9月13日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

目立った材料がない中で円売りの動きが続きました。水曜の米国CPI、木曜のECB理事会を前に目先は絶対的な日米金利差の存在が改めて円売りの動きにつながったと見られます。日銀の政策変更はあるとしても来年の話であり、いったん週末の植田日銀総裁の話よりも実際の金利差に目が向きやすいという地合いです。NY市場では147.23レベルまで上昇し前日高値に迫っての引けとなりました。

ユーロドルは東京市場ではドル円同様にドル買い(ユーロ売り)となっていましたが、インフレ率が高いことからECB理事会で利上げの可能性があるのではとの見方も増えてきていることから、NY市場ではユーロ買いの動きとなりました。

ドル円はじり高の動きから本日朝方には週初の高値を超える動きが見られました。もし週末のギャップを埋めると円安加速という見方をすることになりますが、まだ距離もありさすがにそこまでの円売りにはイベントを前にしてならないと見られます。また日柄的には今週末を挟んで金曜か月曜あたりで円高方向への動きが出てくる可能性が高く、その前のドル買いの動きと見ています。

ユーロはECB理事会を前に現状維持が多数派ではあるものの、思いの外利上げを考える向きも増えてきている様子です。ただインフレだけでなく景気後退リスク、さらには翌週のFOMCでは現状維持がほぼ確定的であることを考えるとECBも現状維持と考えるほうが自然です。

本日は昨日の流れを受けて3主要通貨ペアともに押し目買いが出やすい流れでしょうが、米国CPIを前に東京市場以降はいったん様子見での待ちが正解かと思います。



配信日:2023年9月13日