デイリーレポート(2023年8月31日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日通常のレポートに代え今朝の放送で話した内容をまとめておきます。

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注目通貨ペア 「ドル円の押し目買い」

*ファンダメンタル
 ジャクソンホールも終わりFRBがややタカ派的なスタンスであることが確認できました。7月FOMC議事録に沿った内容でサプライズではありませんが、年末時点で現状維持の5.25〜5.5%か、0.25%利上げで5.5〜5.75%かに絞られてきたことで絶対的な日米金利差が続くことからドル円は一時147円台前半まで水準を切り上げました。

しかし、JOLTS求人件数が予想よりも弱かったことをきっかけにドルが反落、その後は146円前後での動きを続けています。昨夜のADP全国雇用者数も予想よりも弱かったことで、明日の雇用統計本番を見極めたいというところでしょう。

*ポジション
 シカゴの通貨先物のポジションは先々週までは円売りが減少していましたが、先週時点では95,000枚超え、その後の動きからも更に円売りポジションは増加していると言えそうです。

また本邦個人投資家も金利差による円売りがベースとなっていて、求人件数五の動きを見てもかなり円売りポジションでお腹いっぱいという状況になっていると考えられます。

*テクニカル
 ドル円の大きな流れとしては介入警戒感はあるものの6月末高値145.07レベルを上抜けたことでドル高トレンドが継続しやすい地合いにあります。いっぽうで147円台で短期的な高値をつけたと考えると、目先の押しも考えるべきで、その場合は8月23日安値との61.8%押しでほぼ下げ止まりましたが、次のターゲットを考えると6月末高値ということになります。

*日柄
 本日はスーパームーン(近地点における満月)ということで今年一番大きい満月となりますが、日柄的にはドルが売られやすい配置となります。

アストロによる日柄では現在金星逆行中(9月4日まで)で金融市場の動きに注意すべき時間帯ですが、さらに8月24日からは水星も逆行(9月15日まで)しています。水星逆行はボラティリティの上昇を招きやすい現象ですが、双方が重なる8月24日〜9月4日は特に注意すべき時間帯にあると考えられます。

これまで円売り一辺倒で動いてきたところにボラ上昇、さらにスーパームーンでドル売りの可能性を考えると、ごく短期的にドル売りの動きが入り、絶好の押し目買いのチャンスを提供してくれるのではないかと考えています。

*結論
 大きな円安の流れは変わりませんので、ドル売りで攻めるのではなく、下がったらドル買いというスタンスが望ましいと思います。今夜のPCE、明日の雇用統計と材料には事欠きませんので、押し目買いを狙い月末月初と言えるでしょう。



配信日:2023年8月31日