デイリーレポート(2023年8月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は米金利(10年債利回り)と全く同じ動き、ミラー相場の一日となりました。東京市場では多少の上下はあったものの米金利は底堅い動きとなり、欧州市場以降は急速に上昇しNY昼前には4.354%と昨年10月の水準を抜け、2007年11月以来の利回りとなりました。ドル円も一時146.40レベルまで上昇し、若干押して引けました。

ユーロドルはユーロ円がドル円と同じ動きとなったことで、ドルの動きではなくドル円とともに上昇する動きがNY市場が始まるまで続きました。NY市場では急速な米金利上昇によりドル買い・ユーロ売りの動きとなりましたが、引けにかけては改めて買い戻される流れとなりました。

ドル円は米金利上昇により再び146円台半ばへと上昇したものの先週高値はトライしきれずやや押す動きになっています。米金利上昇によるドル高も今はまだそれで良いかもしれませんが、今後金利上昇が株安へと繋がりリスクオフ相場に繋がっていく可能性も否定できず、その場合にはドル売りとミニトリプル安(債券安、株安、ドル安)状態を見るかもしれません。

まずは金曜のジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長講演に注目ですが、秋以降の金融政策が金融市場全般に与える影響を色々と考えておく必要はあり、現時点では円安以外のシナリオは考えにくいものの、長期金利の一段の上昇は懸念材料にもなるということです。

週明けから予想外のドル高となってきましたが、ドル円についてはダブルトップとなるかもしれませんので、先週高値を超えない場合は軽くドル売りで様子を見たいと思います。



配信日:2023年8月22日