デイリーレポート(2023年8月21日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では実需のドル売りが先行、その後は米金利低下と人民元高を材料に週末前の円買い戻しが続きました。欧州市場ではユーロ安の動きからドル買い戻しも見られ、NY朝方には米金利上昇もあって東京朝方の水準へと買い戻されました。その後は全般的なドル売りの動きが目立ちNY昼過ぎには144.93レベルの安値をつけましたが、引けにかけては145円台前半に戻しました。

ユーロドルは東京前場はドル円とともにドル売りの動きとなっていましたが高値1.0894レベルまでで、その後はユーロ円の下げとともに売りが強まりNY朝方には1.0845レベルの週間安値をつけました。引けにかけては欧州序盤の水準に戻して引けました。

先週のドル円は木曜の東京朝方に146円台半ばまで円安が進行したものの当局からの牽制も弱く市場参加者は円安進行を見込み始めていましたが、株式市場が週を通して弱く、また中国の人民元買い介入によるドル売りの動きや、米国エバーグランデの破産法申請など中国の景気悪化懸念がドル円の上値を抑える結果となりました。

週後半の下げが押し目となるのかあるいは戻り売りの場所を探す向きが増えてくるのかを考えると短期的には後者、ドル円は戻り売りの動きが利食いを誘う展開が今週は出やすくなる可能性が高そうです。145円台後半から146円にかけてはドル売りオーダーが出てくるとみています。

ユーロドルはユーロ円の影響が大きくユーロ円でも戻り売りが出やすくなるでしょうから、そうなるとユーロドルはもみあい横方向に動くこととなるでしょう。



配信日:2023年8月21日