デイリーレポート(2023年8月18日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

前日のドル高の流れを受け東京朝方に146.56レベルまで買われたものの、介入警戒感もありその後は高値圏でもみあい後に自立反転でドルがじり安の流れとなりました。中国がドル売り人民元買いを拡大するとのニュースもドル売りに作用し、NY朝方には145.62レベルの安値をつけました。その後後場にかけては米金利上昇によるドル買い戻し、引けにかけてはダウが大幅安となり円買いの動きとなり安値圏での引けとなりました。

ユーロドルも東京市場でドル買いが先行したことでユーロの安値をつけた後はNY市場に向けてユーロ買い、その後引けにかけてはユーロ売りとなりました。ユーロ円の売りが目立ったことからユーロドルは引けにかけて1.0856レベルの安値をつけましたが、値幅は伴わない動きで終わりました。

ドル円は介入警戒感が強まる中で、中国の介入のニュースがドル売りのきっかけになるという財務省にとっては目先の円一段安懸念が和らいだというところですが、それでも145円台半ばでは押し目買いも出ています。米10年債利回りは4.328%まで上昇し、昨年10月の4.335%にほぼ並ぶ水準へと上げています。この動きが収まらないとドル買いの動きも収まらないということになるでしょう。

ただ米長期金利上昇の動きはイールドカーブ・コントロール修正後の日本の10年債利回りの上昇にも繋がり0.65%まで上がってきました。円金利のほうが硬直性があるため、金利差縮小にはなりませんが拡大のペースは若干緩やかになるため、金利差だけには着目しにくく、引け間際のダウの下げがリスクオフの円買いになったように、今後は米金利上昇が株式市場にどの程度影響を与えるかも重要になります。

本日は週末前ということもあり、ドル円は押し目買いよりはポジション調整の戻り売りが出やすい地合いになるでしょう。



配信日:2023年8月18日