デイリーレポート(2023年8月14日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

木曜も前日の流れを受けて東京市場ではドル買いが先行しましたが欧州市場序盤以降は米金利低下とともにドル売り米国CPIを前に調整が入りました。米国CPIは予想よりも若干弱く初動はドル売りとなり143.29レベルまで押したものの、その後は一転長期金利上昇の動きとともにドル買いが強まり144.82レベルまで上昇後、高値圏での引けとなりました。
ユーロドルは東京市場のドル円の買いとともにユーロ円でも買いが広がったことでユーロドルも上昇、米国CPI直後にドル売りの動きで一時1.1064レベルの高値をつけました。しかし、その後は米金利上昇にによるドル買いの動きから東京朝方の水準へと押して引ける動きとなりました。

東京市場が休場となった金曜は前日NYでの上昇に対する利食いが見られ、NY市場朝方には144.42レベルへと水準を下げていましたが、動き自体は鈍く動意薄の流れがNY市場まで続きました。NY市場では前日のCPIとは逆にPPIが予想よりも強かったことから米金利が一段と上昇し、一時145.00レベルの高値をつけ、高値圏でもみあいのまま引けました。
ユーロドルもNY市場まではもみあいを続け動きが鈍い流れが続きましたが、予想よりも強いPPIを受けたドル買いから1.0943レベルまで下押しし、安値引けの週末クローズとなりました。

先週後半はCPIとPPIとでは異なる方向ではあったものの、米金利は2日とも上昇、10年債利回りはCPI発表直後の3.957%から金曜NY引け間際の4.178%まで上昇し、前週につけた年初来の水準となる4.204%に迫る勢いとなってきました。米国政策金利は今後の指標次第というスタンスに変化は無く、絶対的な日米金利差がドル買い円売りに繋がっている流れです。

ただ金曜には145円をつけ、昨年最初に介入が出た145.90レベルへと近づいてきました。ここから介入が出た水準まではそろそろ当局からの牽制発言が出るでしょうし、牽制発言が無いままに突然の介入という動きもあるかもしれません。145円台前半はまだ良いでしょうが半ばを超えての円安を試すのは参加者にとっても恐々という状況になるかと思われます。

またユーロ円も上昇し年初来高値を更新してきましたが、ドル円よりもユーロ円や介入が無いクロス円での円売りが今週は強まりそうです。ユーロ円の強い地合いがユーロドルではユーロ買い・ドル売りとなりドルの動きとしては相殺する流れとなりそうです。



配信日:2023年8月14日