デイリーレポート(2023年8月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場では朝方に145.22レベルの高値をつけたもののすぐに反落、欧州市場までは145円割れの狭い値幅での取引が続きました、海外市場に映ってからは米金利が上昇する動きとともに改めてドル買いの動きとなり、NY朝方に10年債利回りは4.215%へと昨年11月以来の水準に上昇、ドル円も145.58レベルの高値をつけ、底堅い地合いのまま引けました。

ユーロドルは東京市場ではじり安、欧州市場に入りポジション調整と見られるユーロの買い戻しから1.0960レベルの戻り高値をつけました。その後は米金利上昇によるドル買いからユーロドルも1.0875レベルまで売られ、NY市場では買い戻しも弱く引けにかけては改めて売りが出ていました。

米国10年債利回りが年初来の水準を更新し昨年11月以来の4.2%台乗せとなりましたが、昨年の金利上昇の動きでつけた10月の水準は4.335%でしたから、既に同水準を視野に入れた債券売りの動きも出ていると見られます。直近の米国債入札が低調だったことも債券売りに繋がっています。

そうなるとドル一段高ということになりますが、ドル円も昨年介入が出た145.90レベルへと着実に近づいてきました。本邦財務省は妙な静けさを保っていますが、何も牽制発言がないまま円安容認ということは流石にないでしょうから、何か言ってくるのかあるいは無言のまま突然介入に動くのか、145.90に近づくにつれ市場参加者も駆け引きが強まっていきそうです。

個人的な見方としては145.90をトライさせて何も発言が出ず油断させておいたところで介入というのが今回の動きのような気がします。日柄的には8月24日以降の月内に注意したいと思います。本日のところはドルの押し目買いが続くでしょう。



配信日:2023年8月15日