デイリーレポート(2023年8月3日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場はドル買いが先行したものの日経平均が下げる動きを見て後場は円高の動きとなりました。欧州市場序盤には142.23レベルの安値をつけたものの下がったところでの買いは根強く、NY市場では強い経済指標を背景に米金利が上昇する動きとともに143.47レベルまで上昇、高値圏での引けとなりました。

ユーロドルは早朝に買いが先行し1.1020レベルの高値をつけましたが、1.10台超えでは戻り売りも出て、その後は終日じり安の動きとなりました。NY市場ではドル高からユーロドルも1.0918レベルまで下げましたが、雇用統計イベントを前に積極的な取引は手控えられていたようです。

ドル円は金利差を背景としたドル買い、現行水準から上では牽制発言がいつ出てもおかしくないと、売買双方の材料があり金曜の雇用統計を前に底堅いものの上値を更に仕掛けていくという動きにはつながっていません。

フィッチの米国格付け引き下げ以降は米国債の売りが金利上昇を招いていて、長短金利とも米金利が上昇しているため、ドル円はなかなか下げにくい地合いが続きそうです。ただ日柄的にはいったん調整が入りやすいため、143円台半ばから上には簡単には行かせてくれないように思います。クロス円の動きとともに多少は注意していて良いでしょう。



配信日:2023年8月3日