デイリーレポート(2023年8月1日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は若干下押ししてスタートしたものの日銀が臨時の国債買いオペを実施したことをきっかけに円安再開、欧州市場序盤には142円台乗せとなりました。その余波が海外市場でも続きNY市場前場には142.69レベルまで買いが続き、引けにかけてはやや押して引けました。

ユーロドルはドル円が朝方の安値から2円上昇する動きを他所に一日のレンジは53pipsに留まりました。ドル円でのドル買いの動きがややユーロドルの上値を抑えたという流れです。

日銀が緩和を継続するというスタンスを見せたことで、先週のイールドカーブ・コントロールの上限拡大後も為替市場は円高には動かず、逆に改めて絶対的な金利差拡大の動きによるドル買い、円売りの動きが再開したという流れです。ただ、142円台は財務省からは円安牽制発言が出た水準でもあり、このまま対ドルでの円安を見込むには不安もあります。

そうなってくると改めて対欧州通貨での円売りに動きやすくなりますので、今週はユーロ円の買いが中心となりやすそうです。ただ、米国雇用統計が週末に控えていることや、その前に出てくる雇用関連の数字が弱ければドル円の下げにつながる可能性もあり、売買の回転は早くなっていきそうです。



配信日:2023年8月1日