デイリーレポート(2023年7月20日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日の植田日銀総裁の発言が尾を引いてNY市場まで円売りの動きが続きました。欧州市場昼過ぎには139.99レベルの高値をつけましたが、140円の大台超えにはドル売りオーダーも入っていた様子で、いったんやや下げる動きを挟みました。NY前場に再び139.99レベルと140円を超えられず、139円台後半でもみあいのまま引けました。

ユーロドルはNY市場までは1.12台前半でのもみあいを続けていましたが、NY前場の米金利上昇によるドル買いの動きから1.1174レベルまで水準を下げ、引けにかけては若干の買い戻しが出ていました。

ドル円はG20での植田日銀総裁の発言から来週の日銀会合におけるイールドカーブコントロールの調整思惑は急速に交代したことによる円売りが続きました。もともと7月修正の見方はやや早すぎるタイミングに思える中、市場参加者が飛びついた動きの調整となりましたが、それでも年内後半から来年前半にかけてのどこかの段階で調整が入る可能性は高く、今後も日銀関係者の発言の注目度は高くなるでしょう。

またFRBだけでなくECBも七が吊り上げ以降の追加利上げが行われるかの見通しが後退しつつあり、来週の主要3極の金融政策決定会合後の会見が今後しばらくの金融政策に対する見方を決定していくでしょうから、それまでは方向感の出にくい展開が続くものと見られます。



配信日:2023年7月20日