デイリーレポート(2023年7月19日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...


ドル円は東京前場から上値が重たい展開となり、NY市場までじり安の展開を続けました。NY市場朝方に発表された経済指標が予想よりも弱く米金利低下とともに一時137.68レベルの安値をつけたものの137円台半ばではドル買いオーダーも入っている様子でした。その後、植田日銀総裁がハト派な発言をしたことから急速に買い戻しが入り、139.13レベルの高値をつけた後は高値圏でもみあいのまま引けました。

ユーロドルは相変わらず高値圏で狭い値幅でのもみあいを続けています。欧州市場序盤に1.1276レベルの高値をつけたものの上がりきらず、NY市場朝方にもドル売りの動きから再度買われたものの1.12台後半では売りが出てきて、引けにかけてはドル買い戻しの動きとともに1.1209レベルまで押し、若干戻して引けました。

ドル円は植田日銀総裁がG20の会見で安定的な2%のインフレ達成には距離があるとハト派な発言をしたことから、来週の日銀会合でのイールドカーブコントロールの修正も無いのではないかと、これまでの思惑が後退する動きが昨は目立ちましたが、内田副総裁の発言以降はやや修正ありきの方向にバイアスがかかり過ぎていたように思います。

今後どこかの段階で修正が入ることは間違いないでしょうが、7月会合の段階では検討にとどまり、年後半から来年前半あたりの調整と見た方がニュートラルに近いのではないかと思います。そういう点では実際に修正が入れば依然としてサプライズであり、大きく振れるとすると円高という流れにも変化はないでしょう。

そうは言っても高値からの調整もそれなりに進んできましたので、来週の会合までは一進一退の横方向の動きになりやすいと見ています。またユーロドルは高値圏でのもみあいが続いていますが、ユーロ円の動きも影響しているため、依然として大きな動きにはつながりにくい地合いが続いています。



配信日:2023年7月19日