デイリーレポート(2023年7月13日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は円買いの動きが止まりません。昨日も東京市場で株安の動きを見て円買いが先行、NY市場までじりじりと円高方向に動いていました。注目の米国CPIは予想よりも弱い3.0%と1年ぶりの低水準となったことから米金利が低下、ドル円は一時138.15レベルまで円高が進行し、そのままドル安値圏での引けとなりました。

ユーロドルはNY市場までは小動き、米国CPI後に大幅高となり高値1.1140レベルと年初来高値を更新し、2022年3月以来の高値をつけ高値圏での引けとなりました。

日銀だけが大規模緩和継続ということからの円独歩安も145円で介入警戒感が高まり自律反転したあたりから流れが変わりました。その後は米金利低下によるドル売りに加え、7月日銀会合でイールドカーブコントロール調整思惑もあり膨らんでいた円売りポジションに大きく調整が入りました。

昨日の米国CPIで日米のCPIも逆転しましたので、一段と日銀の調整思惑が高まりそうです。今のところ直近では内田副総裁のみが発言していますが、植田総裁も就任前には言及していたことを考えると、何らかの議論が行われる可能性はあり、しばらくはドル円の上値が重くなり、同様にユーロドルも底堅いという動きは続くでしょう。

ただ、ドル円は138円台前半はテクニカルなターゲットでもあり、いったん下げ止まる可能性はあるでしょう。



配信日:2023年7月13日