デイリーレポート(2023年6月28日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では様子見の横ばい、海外市場に移ってから改めて円売りの動きがドル円、ユーロ円ともに見られました。欧州市場前場に143.94レベルまで買われたものの、警戒感にユーロドルの買いも加わり143.30レベルへと反落。NY市場では前場に強い経済指標をきっかけとして高値を144.18レベルまで切り上げ、高値圏での引けとなりました。

ユーロドルはユーロ円の買いもあって東京市場から底堅い動きとなっていましたが、欧州市場に入りECB関係者のタカは発言を受けて買いが広がり、一時1.0977レベルの高値をつけました。引けにかけては高値もみあいのまま1日を終えています。

ドル円は144円台に乗せてきましたが、NY引け後に神田財務官による円安牽制発言が出ました。一時的に売りも出たものの財務相同様にまだトーンは弱いという感じですぐに買い戻されています。おそらく145円より上では円買い介入が出てくる可能性があるぞといったことを示したと思われます。

介入が出てもそのまま円安進行につながることもありますが、やはり実弾となれば一円くらいは簡単に飛ぶでしょうから、そうした点ではそろそろ注意すべき水準になってきたと言えそうです。144という数(10倍、100倍等も含む)は数字としてもサポート、レジスタンスとなりやすいものですし、日柄的にも7月初めは転換しやすいため、そろそろ注意はしていたほうが良いと思います。



配信日:2023年6月28日