デイリーレポート(2023年6月26日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日の流れを受けて底堅い展開が続き東京後場には143.45レベルの高値をつけました。しかし欧州市場に入り発表されたPMI速報値が軒並み予想よりも弱く、ユーロが対ドル、対円ともに大幅安となったことから、142.77レベルまで水準を下げました。その後ドル円は買い戻しが入りNY市場は143円台前半で始まりましたが、FRB関係者のハト派発言に日中安値をわずかに更新。その後逆にタカ派発言で143.87レベルと高値を更新し、そのまま高値圏での引けとなりました。

ユーロドルも前日NY市場でのドル高(ユーロ安)の動きを受け東京市場ではじり安の展開を続けました。欧州市場に入り発表されたPMI速報値が、フランス、ドイツ、ユーロ圏と全て予想よりも悪い数字となったことでユーロ売りが加速、ユーロドルが1.0844レベル、ユーロ円も155.05レベルまで水準を切り下げました。しかし、下がったところでの押し目買いも根強くNY市場では買い戻しが目立ち、ユーロドルは1.09daiを回復後若干押しての引け。ユーロ円も下げる前の水準を回復して引けました。

ドル円は日本だけが緩和を継続する中でクロス円がリードする形で円売りが続いています。ドル円単体と異なりクロス円の場合、当局による牽制発言も出ないであろうという安心感もあります。ユーロ円は2008年以来の高値、スイス円に至っては1979年高値を上抜け史上最高値を記録しています。しばらくはクロス円での円売りがドル円を底堅くするいっぽうで、ドル円単体では当局の牽制を警戒する流れが続くでしょう。

本日もドル円は高値もみあいもやや上値が重く、ユーロドルは金曜の流れを受けて上値の重たい展開を考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  142.95〜143.75
 ユーロ  1.0865〜1.0935
 ユーロ円 156.00〜156.85



配信日:2023年6月26日