デイリーレポート(2023年6月23日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では様子見もみあい、海外市場に移ってから徐々に底堅くなっていましたが、英中銀利上げのあたりから米金利が上昇し始め、NY前場にはFRB関係者のタカは発言も出て、前日高値を上抜ける動きとともにドル買いが加速しました。日本の当局による発言もNY市場では出ないだろうとの警戒感の薄れもあって143.23レベルまで上伸後、143円台で引けています。

ユーロドルは東京市場ではほとんど動かず、欧州市場に入りドル円とともにユーロ円が上昇する動きとともにユーロドルもじり高の動きとなりました。その後英中銀が0.5%の利上げをした直後はユーロ買いとなり1.1012レベルの高値をつけましたが、ポンドが一旦材料出尽くしで利食い売りに押される動きとともにユーロドルも下げ、1.0948レベルまで押して安値圏で引けました。

ドル円は今週の143円トライは無いと考えていましたが、結局は日銀だけ金融政策の方向が異なることによる円売りに押し上げられることとなりました。142円台半ばを上抜けてきたことで簡単には下げにくい地合いへと転じてきたこととなりますが、引き続き当局による牽制発言は出てくるでしょうから、あとはどこで次のステップに移るのかを見極める段階に入ってきました。

145円なのか、150円なのか、あまり昨年高値に近い水準だと更なる円安加速につながりますので、おそらくは145円の手前ではレートチェックといった動きが出てくる可能性は高いと見ています。本日は週末前の利食いも入るでしょうから、ここからの一段高は考えにくいのですが、ユーロドルの下げがユーロ円の下げにつながるのか、ドル買いの面に着目されるのかで方向が変わってきますので、その点にも注意したいところです。



配信日:2023年6月23日