デイリーレポート(2023年6月21日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場に一時142.25レベルと昨年11月の戻り高値に並んだものの当局への警戒も根強く後が続きませんでした。その後多少の上下を挟んだものの海外市場に入ってからは米金利低下の動きとともにドル売りが強まり、NY後場には141.21レベルまで水準を下げ、やや戻して引けました。

ユーロドルは連日動きが鈍い流れが続きますが、欧州市場序盤に米金利低下によるユーロ買いが見られ1.0946レベルをつけました。しかし、ドル円とともにユーロ円でも売りが広がったため、ユーロドルは売られ1.0892レベルの安値をつけた後に1.09台に戻して引けました。

ドル円は鈴木財務相がソフトな懸念をを示した程度で目立った反応はありませんでしたが、142円台に乗せて発言が出てきたことから昨年11月の戻り高値を現場(為替課)が意識している表れと見て良いのではないでしょうか。テクニカルにも昨年高値と今年安値との78.6%戻しが142円台半ばに位置していることから、142円台前半はいったんは引っかかる水準です。

今回の三者会談が行われる前の高値が140.95レベルであったこと、同水準を上抜けてからドル買いが強まったことを考えると、現在は141円割れでは押し目買いが出やすいと言え、当面は141円台を中心とした様子見が続きやすいでしょう。本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  141.20〜141.90
 ユーロ  1.0880〜1.0940
 ユーロ円 154.10〜154.85



配信日:2023年6月21日