デイリーレポート(2023年6月8日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は株安の動きとともに売りが先行しましたが、前日安値圏での会がしつこく欧州市場ではもみあい底固めの動きとなりました。NY市場に入り再び売りが強まり一時139.02レベルと前日安値を割り込みましたが後が続かず。カナダ中銀が予想外の利上げに動いたことで米金利も大幅上昇、3.8%台に乗せる動きとともに140.205レベルの高値をつけ、若干押しての引けとなりました。

ユーロドルは東京市場ではドル円とともにユーロ円のウギが目立ったことから売りが先行しましたが、欧州市場序盤に1.0668レベルの安値をつけると反転、NY朝方には1.0740レベルの高値をつけました。その後は米金利上昇とともにユーロ売りとなり1.07台を割り込んでの引けとなりました。

カナダ中銀がサプライズの0.25%の利上げを行ったこと、声明でインフレ懸念を示していることに反応し、FF先物の利上げ織り込み度も35%まで上昇していますが、それでもコンセンサスは現状維持で7月利上げが本命視されています。ただ、各国ともインフレ懸念による利上げ継続、再開という動きになっているため、来週のCPI次第では米国も利上げという動きになる可能性は否定できません。一段と注目度は高まりました。

ドル円はドル高の動きとなりましたが、それでも140円台半ばにはまだまだドル売りオーダーも残っています。138円台後半から140円台半ばのレンジを続けやすい地合いには変化はなさそうです。ユーロドルも下押しすると下げきれずを繰り返していて、米金利上によるドル買いも続きません。現状では改めてユーロ円の買いが強まっていますので、ユーロ円の動きも見ながらと、方向感が出にくい印象です。

本日はドルは底堅いもののレンジを抜け出すことは考えず、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  139.50〜140.30
 ユーロ  1.0670〜1.0740
 ユーロ円 149.50〜150.25



配信日:2023年6月8日