デイリーレポート(2023年5月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場は動かず後場以降は底固めする米金利の動きとともにやや底堅い値動きとなりました。その後もNY市場までじり高の展開を辿りましたが、ミシガン大消費者信頼感速報値において期待インフレ率が予想よりも高かった子ことから米金利上昇、ドル買いの動きが強まりNY昼過ぎには135.76レベルまで水準を切り上げ、そのまま高値圏での引けとなりました。

ユーロドルは欧州市場序盤まで動かず、海外市場に移ってからはドル円同様に米金利上昇とともにユーロドルは売りが強まる展開となりました。NY昼過ぎには1.0848レベルまで売られ、そのまま安値引けとなっています。

米金利上昇によるドル買いが強まっていますが、10年債利回りの水準はCPI後の水準に戻った程度です。いっぽうでドル円は金曜に週間高値を更新し、週明けの早朝相場でも買いが続いています。これは先週金曜に日経平均株価が2022年高値を上抜け2021年11月以来の高値をつけたリスクオンの動きが為替市場でも円売りに動いた結果と見て良さそうです。

日経平均は週明け朝方に29600円台まで水準を切り上げていますが、3万円の大台を前にしてここからは一気に上げるとも思えませんが、2021年9月以来の3万円の大台は一度はつけに行く可能性は高そうで、そうなるとドル円も円安地合いが続きやすくなりそうです。現状はまだ米地銀の経営不安や債務上限問題などもあり、一方的な円安にも動きにくいのですが、落ち着いてくれば改めて日米金融政策の方向性の違いに目が向かいやすくなると見られます。

本日はドルが底堅いものの既に金曜NYで上げていることから上値も限定的になると見て、以下のレンジを考えておきます。
 ドル円  135.45〜136.25
 ユーロ  1.0830〜1.0900
 ユーロ円 147.00〜147.80



配信日:2023年5月15日