デイリーレポート(2023年5月12日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京朝方に下押し後買い戻されていたところに、ユーロドルの売りとともにドル買いの動きが強まり、欧州前場には134.84レベルの高値をつけていました。しかしNY市場では米地銀経営不安のニュースを受け米金利が低下、株安とともにドル円もドル売りで反応、133.74レベルの安値をつけました。その後引けにかけては急速に買い戻しも入りNYで下げ始める前の水準に戻して引けました。

ユーロドルは欧州市場序盤にストップと見られる売りに押され前日安値を下抜け、その後も上値の重たい動きが続きNY前場には1.0900レベルの安値をつけました。NY市場では米金利は低下していましたが、ユーロドルは上値が重たいままで引けました。

昨日はドル円とユーロドルとでは動きが異なる海外市場となりましたが、そもそものきっかけは米地銀パックウェストの経営不安をきっかけとしたリスクオフの動きです。株安、金利低下、ドル円は下げと初動はわかりやすかったものの、その後の急速な買い戻しや、ユーロドルは全く動かずと、読みにくい展開が続きました。

基本的には米銀の経営不安と債務上限問題とでリスクオフに動きやすい地合いには変化はありませんので、ドル円で言えばNY前場の初動の動きの方が短期的には素直な動きと言えるでしょう。ただ、リスクオフ材料が収まれば日米金利差による円売りへと回帰するでしょうが、タイミング的にはまだ少し先になってくると見られます。

本日もユーロドルの動きが悩ましいですが、3主要通貨ペアともに上値が重たい展開を考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  133.80〜134.70
 ユーロ  1.0875〜1.0950
 ユーロ円 146.20〜147.10



配信日:2023年5月12日