デイリーレポート(2023年5月9日配信)
週明けのドル円はLDN市場が休場ということもあって終日135円の大台を挟んで小動き、方向感のはっきりしないまま終わりました。
ユーロドルは東京市場では買い、海外市場では売りという動きになりましたが、米金利上昇の動きがユーロドルでのドル買い(ユーロ売り)として見られた程度で、目立った材料があったわけではありません。
一連の金融政策イベントが終わり金利差面での方向性も固まったことで、より米国の金融機関問題や債務上限問題といった話題に目が向かいやすくなっています。前者は悪い話が出てくると株式市場は売り、債券市場は金利低下でドル売りに反応しますが、後者はまさかとはいえ米国債の債務不履行などといった懸念が現実のものとなれば債券市場は米国債売りで反応します。
後者の厄介なところは、金利上昇につながりますます米国の中小金融機関の負担が増え破綻リスクも高くなるという点です。本日の共和民主の与野党会議でどのような話が出てくるのか、落とし所を見つけて上限を一時的にでも撤廃しないと景気後退が急加速しかねないだけに、早期の解決を望みたいものです。
当面は米金利上昇には債務上限問題にからむ債券売りという側面も出てくるということを考えると、素直に金利上昇=ドル買いではなく、トリプル安としての債券売り(金利上昇)=ドル安ということも考える必要が出てきました。
なお、本日もドルが若干底堅い動きを続けやすそうですが、上記点には注意しておきましょう。
配信日:2023年5月9日