デイリーレポート(2023年5月1日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は日銀会合までは様子見となっていましたが、当初は長年に渡る緩和のレビューを行うとのヘッドラインに円買いで動き一時133.37レベルの安値をつけましたが、会見において大規模緩和は継続されること、レビューは時間をかけて行い目先の政策に結びつかないこと、点検と距離を置いた用語であることなどが示され大きく円安に振れる動きとなりました。欧州市場序盤には135円台後半へと上伸し、NY市場では強い米国経済指標に反応しドル一段高の動きから136.56レベルまで上伸後にやや押して引けました。

ユーロドルは東京前場は動かず、後場のドル円上昇の動きに引っ張られてユーロ売りが強まりました。NY市場序盤に米国経済指標も影響して1.0962レベルへと下押ししましたが、その後は月末ロンドンフィキシングで実需のユーロ買いが出たこと、ドル円だけでなくユーロ円の買いも入り150円台半ばまで上昇した動きも加わってユーロドルは1.1045レベルと日中高値を更新し、引けにかけてはやや押しました。

ドル円は安値から3円以上もの円安となり3月10日以来の高値となっています。3月高値137.91までまだ距離はありますが、植田日銀のスタンスが当面は緩和継続ということがわかったことで改めて他の主要国との金融政策の方向性の違いを確認し円独歩安の展開となっています。目立ったレジスタンスは3月高値まで無いことから、当面は押し目買いの流れが出やすくなってくるでしょう。

ユーロドルは5月3日のFOMC、4日のECB理事会でそれぞれの利上げ幅にコンセンサスが取れていることから金利差縮小によるユーロ買いが今後どの程度出てくるかが気になるところです。ただ本日はロンドン市場が休場ということもあり動きが出るのは2日ということになるかもしれません。

なお、当レポートの更新は東京のカレンダー通りで、今週は本日と明日の更新となります。



配信日:2023年5月1日