デイリーレポート(2023年4月26日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はユーロ円の買いが目立っていたこともあり東京市場では底堅い動きとなっていましたが、欧州市場序盤以降は米金利低下の動きもあって、ドル売りが強まり、NY市場では株安も重なり一時133.36レベルの安値をつけ、引けにかけてはやや戻して引けました。

ユーロドルは東京市場でユーロ円が一段高、昨年高値を超え2014年12月以来の高値を見たことでユーロドルも1.1067レベルまで高値を切り上げていました。しかし、ユーロ円の利食いが出る中で、株安の動きがユーロ円の下げを最も加速させたこともあり、ユーロドルは前日安値圏、ユーロ円は金曜安値圏へと押して引けました。

株安の原因は経営難が囁かれるファースト・リバブリック銀行の決算発表で預金の4割が流出したことを材料としていましたが、このニュース自体は1日前のもので前日から昨日のNYまで夜間取引でもそれほど影響が出ていたわけではありません。急に他行も含めて影響が大きいのではないかと気になり始めたという感じがします。

ただ、これは当たり前の話で、5月FOMCでさらに利上げが行われれば一段と逆境となるわけですから、長期テーマとして金融セクターへの影響は無視できないものがあります。今後も折りに触れ出てくる類のニュースと思っていた方がよいでしょう。

為替市場は3主要通貨ペアともに上値が重くなってきましたが、3日FOMCまでは方向性が出ず、上下に振れやすい流れにあると見ています。



配信日:2023年4月26日