デイリーレポート(2023年4月14日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場までは前日NY後場の狭い値幅の中での小動きが続きました。NY市場に入り発表されたPPIが2.7%と予想よりも低く、CPIとともにインフレ指標が沈静化していることを受け米金利が低下、ドル円は132.02レベルまで水準を切り下げました。その後米金利は戻しドル円も132円台半ばへと戻して引けました。

ユーロドルは欧州市場序盤までは高値圏でのもみあいを続けていましたが、テクニカルにユーロドルが一段高を目指しやすい状況が整っていたこともあって1.1032レベルへと上昇しました。その後NY市場では予想よりも弱いPPIを受けてのドル売り・ユーロ買いが強まり1.1068レベルまで上昇後にやや押して引けました。

前日のCPIも昨日のPPIも弱かったことで5月3日の利上げが最後となる思惑が一段と強まっています。10年債利回りは前日の水準までは下げきれず、その後は前日高値圏へと戻してはいますが、株式市場が大きく上昇したことで、債券から株式へと資金がシフトすることによる債券売り(金利上昇)の面が強かったかと思われます。

為替市場は基本的に債券利回り差を見ていますが、現状では米独金利差に目が向かっていること、テクニカルにユーロドルの買いを進めやすいことから、ユーロがリードするドル安相場が続きやすい展開といえます。週末前のポジション調整が入ったとしても基本的な流れはもう少しドル安が続くと見て良さそうです。

本日もドルの上値が重たい流れを予想し、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  131.90〜132.90
 ユーロ  1.1020〜1.1110
 ユーロ円 146.10〜146.90



配信日:2023年4月14日