デイリーレポート(2023年4月3日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は仲値に向けて買いが入り133.50レベルの高値をつけて以降は利食いも出て反落、後場には朝方の水準へと押していましたが、押し目買いも根強く欧州市場序盤には133.59レベルと高値を更新しました。しかし、133円台半ばから上の水準にはドル売りオーダーも残っていて、その後はNY引けまでじり安の動きとなり、再び東京朝方の水準に押して引けました。

ユーロドルは終日ユーロ売りの動きが続きました。前日の上げに対する調整と月末実需によるユーロ売りが重なったことで1.0837レベルへと水準を切り下げ安値圏での引け。ユーロ円も143.88レベルへと押して安値圏で引けました。

週末にサウジアラビアが5月から50万バレルの原産を発表、OPECプラスと協調して115万バレルの減産が行われることとなりました。原油価格は昨年高値以降は着実に下落し、直近では70ドル台で推移していましたが、週明けのWTIは発表に反応し80ドル台後半へとギャップアップして始まりました。

月初はこの原油価格の上昇がインフレ再燃と米金利上昇を招くという思惑から為替市場ではドル高に動いていますが、景気後退懸念がある中で原油価格の上昇は後退懸念も加速させることとなる、OPECプラスが狙うような価格上昇は一時的な動きで終わる可能性もあります。しばらくは経過を見る必要がありますが、世界的に化石燃料離れは続いていることから、このまま上がり続けることも難しいのではないかと見られます。

為替市場でもドル高の動きを懸念する向きも多そうですが、米金利の動きがどうなるか、朝方は上昇したもののそれほど上がってもいないため、本日もドル円では133円台半ばから上ではまだ売り手が残っているでしょう。ユーロドルについては金曜の流れを受けて上値が重たい流れとなりそうです。

本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  132.50〜133.50
 ユーロ  1.0780〜1.0850
 ユーロ円 143.10〜144.40



配信日:2023年4月3日