デイリーレポート(2023年3月30日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場から底堅い動きを示し株価上昇の動きとともに円安が進みました。期末に向けて円売り実需も出ていたようですが、金融機関に対する不安が落ち着いてきたことによるリスクオフの巻き返しが終日続きました。NY市場では132.89レベルまで水準を切り上げ高値引けとなりました。

ユーロドルは横ばいの動きが続きました。ドル買い(ユーロ売り)の動きと欧州の金融機関に対する不安もいったん落ち着いていることによるユーロ買いとが相殺した動きですが、期末前で積極的な取引が手控えられている状況も続いています。今日明日はロンドンフィキシングを中心に四半期末実需にも注意が必要です。

ドル円は思った以上にリスクオフの巻き返しが続き、FOMC前の水準へと戻してきました。米国株も同様に戻していることを考えると、現時点では金融機関に対する不安はいったん忘れているというところですが、昨日も書いた通り金利が高いという事実に変化はなく、いつまた金融機関に対する不安が出てきてもおかしくありません。

不安は去ったと油断していると足元をすくわれる可能性はあり、更なるリスクオフの巻き返しを考えるのは、避けたいと考えます。本日はそろそろ円関連は円安の限界に近づきつつあると考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  131.80〜132.80
 ユーロ  1.0800〜1.0860
 ユーロ円 142.70〜143.90



配信日:2023年3月30日