デイリーレポート(2023年3月24日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場はFOMC後の下き130.42レベルと週初の安値を更新したものの下げきれず、NY市場までは米金利上昇とともに買い戻しが続きました。NY朝方には131.66レベルの高値をつけていましたが、NY市場では一貫して米金利が低下、FOMC後の水準を下回る動きとともにドル円も130.32レベルまで売られましたが、引けにかけては株価が上昇した動きも手伝って130円台後半へ戻しました。

ユーロドルは欧州市場序盤までユーロ買いが続きました。米金利低下によるドル売り英中銀、スイス中銀の会合で利上げが予想されていることもユーロを下支えしていました。両中銀は予想通りの利上げ幅で一連のイベントが終わったこともあり、ユーロドルは引けにかけてじり安となり1.0824レベルの日中安値をつけ安値引けとなりました。

ドル円は週初も含めて130.50以下にはドル買いのオーダーも入っている様子でなかなか下げきらない展開となっています。NY市場でイエレン議長が議会で前日とはトーンを変え、正当化されれば預金保護のための追加措置を行うと発言したことで株式市場が底堅くなりましたが、まだ水面下では危ない金融機関はあると考える方が自然で、実際に次の経営危機の話が出てくれば、再びリスクオフの動きになりやすいと言えるでしょう。

そうしたことを考えると引き続きドル円は戻り売りを繰り返す展開が予想され、ユーロドルは底堅くなるものの、対象が欧州の銀行という場合位にはユーロ円での売りが出てくるという流れです。

一連の金融政策イベントは通過したものの引き続きボラティリティは高くなりがちな点には注意しておきましょう。本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  129.90〜130.90
 ユーロ  1.0790〜1.0870
 ユーロ円 140.50〜141.70



配信日:2023年3月24日