デイリーレポート(2023年3月23日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

FOMCまでドル円は値動きこそ小さかったものの前日同様にリスクオフの巻き返しが進み直前にはNY朝方には133.00レベルの高値をつけていました。FOMCは予想通り0.25%の利上げとなり、ECB同様にインフレ抑制を強調するいっぽうで、利上げが近く一旦停止される可能性にも言及したことで米金利低下とドル安に動きました。会見でも利上げ休止を検討したとしたことで131.00レベルまで水準を下げ若干戻しての引けとなりました。

ユーロドルはFOMCまでほとんど動かず、FOMCと議長会見を経て1.0912レベルまで上昇後に若干押して引けました。

FOMCではインフレ抑制のため利上げが行われたことで、逆に米国の金融機関への監視と何かがあった時の万全の体制が整っていることを印象付けたと思いますが、イエレン財務長官が預金保険の適用範囲の大幅な拡大は無いと水をさすような発言をしたことで米国株は銀行株を中心に売られることとなり、中長期的には依然として米国の金融機関に対する不安を残した引けとなりました。

FOMCを過ぎたことで四半期末に向けての金融機関への目は厳しくなり、株式市場を中心としたリスクオフの動きは当面続くと見られます。金利市場は緩和への転換が見込まれていないとはいうものの、基本的には下げ方向、為替市場はドル円を中心としてドル安の流れが続くと見ていてよさそうです。



配信日:2023年3月23日