デイリーレポート(2023年3月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

この2日間を簡単に振り返っておきます。週明け東京市場では先週末のクレディスイス経営危機から他行への波及も懸念されていましたが、UBSによる買収が決まり、また日米欧による流動性供給の協調が決まったことを好感して、いったんリスクオフ相場が底打ちの動きとなりました。

東京が休場となった昨日は東京市場は動かず、欧州市場では前日からのリスクオフの巻き返しが目立ち米ドル、ユーロとも買い戻しの動きとなりました。ドル円は132.63レベル、ユーロドルも1.0789レベルまで買い戻され、それぞれ高値圏での引けとなりました。

先週から始まった金融機関の経営危機問題は、米国がリーダーシップを取り主要国が迅速な行動を取ったことで短期的には落ち着きを取り戻しました。しかし、水面下ではまだ多くの金融機関が問題を抱えていることも間違いなく、破綻した場合には預金は保護されても株式はゼロになるわけで、そうした懸念がしばらくは投資家心理を冷え込ませることとなります。

米国株も随分と戻してきましたが、ここから買われる動きが出てくるとカウンターで売りも出てくると見られます。また本日はFOMCにおいて0.25%の利上げが織り込まれています。

0.5%の可能性はなさそうですが、もし利上げ見送りとなると思った以上に金融機関のポートフォリオが傷んでいるという味方をされる可能性がありますので、その点には注意が必要です。またパウエル議長会見でも今月の金融危機問題についてどのような発言がされるのか気になります。

現状はリスクオフの巻き返しが続いていますが、FOMCのイベント経過で改めてリスクオフに戻るのではないかと考えています。



配信日:2023年3月22日