デイリーレポート(2023年3月20日配信)
シリコンバレー銀行破綻から始まった金融危機懸念はクレディ・スイスの経営危機にまで発展してきたことで週末を前にリスクオフの動きが終日続きました。米金利(10年債利回り)は朝方の3.598%からNY昼前には3.382%まで低下、NYダウも一時500ドルを超える下げとなり、ドル円は131.55レベルまで下落し、引けは131円台後半に戻しました。
ユーロドルでもドル売り(ユーロ買い)の動きが続きましたが、クレディ・スイスの経営危機問題による株安からユーロ円の下げにつながり、欧州市場では下げていましたが、その後再びドル売り転じ1.0685レベルに上昇後若干押して引けました。
週明け未明にUBSによるクレディ・スイス買収のニュースからいったんリスクオフの巻き返しでスタートしましたが、今回の買収にあたりCoCo債(AT1に分類される劣後債)が完全な元本削減による自己資本拡充に使われることとなりました。株価もかなり下がっているものの、劣後債がゼロになるという事態は投資家を焦らせるには十分なニュースで、これで落ち着いたと見るよりも更なる金融危機懸念はまだやってくると見た方がよさそうです。
今週はFOMCもあり、現時点では0.25%利上げがコンセンサスですが状況次第では利上げ見送りという可能性も否定できません。3月末に向けてまだまだ安心できない金融市場が続くこととなりそうですから、今週も米ドルは戻り売りが出やすい流れとなるでしょう。
配信日:2023年3月20日