デイリーレポート(2023年3月14日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

シリコンバレー銀行の破綻に続きシグネチャー銀行も破綻と金融当局は万全の体制を整えてはいるものの先行きの不安がリスクオフの姿勢を強めた週明け相場となりました。株式市場は下げ、金は買われと典型的な動きを見せましたが、為替市場では金利差によるドル買いも多かったドル円でのドル売りが強まる結果となりました。NY朝方には132.28レベルまで水準を下げ、引けにかけては133円台に戻しました。

ユーロドルでもドル売り・ユーロ買いの動きが先行しましたが、株式市場の下げからドル円だけでなくユーロ円での売りも強まったことで、欧州時間にユーロドルは1.0650レベルまで下げましたがNY市場では1.0749レベルへと改めて上昇後に1.07台前半で引けました。ユーロ円はNY朝方に141.37レベルまで下げ、142円台後半に戻して引けました。

米銀の破綻が続いた原因が米金利上昇によるポートフォリオの含み損(債券価格下落)の影響が大きかったことで、3月FOMCでの利上げ見送り、年内緩和への転換という思惑が急速に広がっています。FF(政策金利)先物の12月限はパウエルFRB議長議会証言後には5.585%まで上げていましたが、現在は3.88%と1.7%以上も下げてきました。

連鎖破綻を避けるために金利は上げられない、また今後は米国の景気後退も避けられないという見方が増えてきています。そうしたことを考えると当面はドルの上値は重くならざるを得ないでしょうし、特に円は買われやすい流れにあると言えます。

本日は以下のレンジを見ておきますが、振れやすい流れはしばらく続きそうですからポジション管理には注意が必要です。
 ドル円  132.80〜134.30
 ユーロ  1.0650〜1.0750
 ユーロ円 142.50〜143.75



配信日:2023年3月14日