デイリーレポート(2023年3月8日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

注目のパウエル議長議会証言を控えて東京市場では動かず、欧州市場序盤に強いドイツの経済指標に反応したユーロドルの買いによりドル円も下げたもののイベント前ということもありすぐに戻してNY市場待ち。パウエルFRB議長の議会証言は金融政策報告書から前回FOMCよりもややタカ派になると見られていましたが、ターミナルレート(ピーク金利)が一段と上がる可能性、利上げペースを加速する可能性と予想以上のタカ派。金利上昇、株安、ドル高の動きとなり、引けにかけて137.20レベルまで上昇し高値引けとなりました。

ユーロドルは欧州市場定盤の強いドイツの経済指標で高値1.0695レベルを見ましたが1.07台には売りオーダーがある様子でイベントを前に反落。NY市場ではパウエル議長の発言を受けたドル買いの動きからユーロドルは1.0546レベルまで下げて安値引けとなりました。

パウエルFRB議長の予想以上にタカ派な発言から3月FOMCでは0.5%利上げ、ターミナルレートは5.25〜5.5%、年内の緩和への転換はなしがコンセンサスとなり、12月の金利見通しから一段上がって5.375%が中央値となるのかどうかを3月FOMCで答え合わせすることになります。

それまでは金利は底堅く、為替市場ではドルの押し目買いが継続しやすくなっていきそうです。本日も東京朝方にドル円は137.49レベル、ユーロドルも1.0542レベルとそれぞれNYのドル高値を更新する動きを見せています。今夜の下院の議会証言でも同様の内容が繰り返されるでしょうから、ドル高地合いが続きやすいと考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  136.80〜137.80
 ユーロ  1.0505〜1.0575
 ユーロ円 144.90〜145.50



配信日:2023年3月8日