デイリーレポート(2023年3月6日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週末前にドル円は調整売りが先行していましたが、米金利が大幅に低下する動きが終日続いたこともありNY市場では136円割れ。強いISMに一時的に買い戻される場面も見られましたが、引けにかけて135.75レベルの安値をつけ若干戻して引けました。

ユーロドルもドル売りの動きが続きました。金利低下によるドル売り以上に3月FOMCでの利上げ幅が大きくならないだろうとの思惑で株式市場の大幅高が目立った印象です。ユーロドルはドル円よりもドルの下げ幅が小かったこともあり、ユーロ円も下げていました。

一時期に比べて米国の金利先高感は目先は後退したものの、FF先物で見る限りターミナルレート(ピーク金利)が5.25〜5.5%は変わりませんし、年内の緩和への転換思惑も後退し、ピーク状態が続くという見通しです。また10年債利回りも4%の大台は割り込んだものの3.9%台はしっかり維持し先週半ばの水準に押したに過ぎません。

今後一段の金利低下の動きが出てこない限りは依然として米金利は高いと見ていた方がよさそうです。今週はパウエルFRB議長の議会証言がありますが、既に話す内容についてはハンフリー・ホーキンス(金融政策報告書)でわかっていて、そこでも前回FOMCよりもタカ派的な印象ですから、しばらくは米金利の動向とFRB関係者の発言もタカ派よりに揺り戻しが来る可能性を考えておいたほうがよいでしょう。

その場合は米国株安、ドル高という動きが考えらえますが、おそらく念の為議会証言を聞いてからといったところでしょうか。本日は金曜にドルが下げた動きに対しての調整と戻り売りとの綱引きとなりそうですが、先週安値を下抜けるところまでの下げは無いと考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  135.50〜136.30
 ユーロ  1.0590〜1.0660
 ユーロ円 144.00〜144.80



配信日:2023年3月6日