デイリーレポート(2023年2月27日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週末の東京前場は植田新総裁候補の所信聴取を受けて仕掛け的な動きが見られ、短時間に134.05〜91のレンジで振れが見られました。その後はしばらくレンジ内でのもみあいとなっていましたが、海外市場に移り日銀の緩和継続が意識されたことに米金利上昇の動きが重なりドル買いの動きが強まりました。NY市場に入り発表された経済指標を受け米金利は一段と上昇し3.978%と前日の水準に並び、ドル円も136.52レベルへと上昇し高値圏での引けとなりました。

ユーロドルは東京前場にドル円の振れに多少は引っ張られたもののNY市場まで上値が重たい展開が続きました。米金利上昇の影響が大きかったのですが、NY前場に1.0536レベルの安値をつけたあとは安値圏でもみあいのままでの週末クローズとなりました。

植田日銀総裁候補は緩和継続を前面に出してはいるものの、国会での面接のようなものですから過激な発言が出てくることはあり得ず、実際に就任してからのことを考えると、現在思われているよりも早い段階でYCCの撤廃など正常化に動く可能性はかなり高いと思います。現在は日銀の緩和継続よりも米金利上昇の影響によるドル高相場と見ておいた方がよいでしょう。

135円、136円と急速にドル上昇の動きを見たこともあって、週明けはドル買いに動くとしても調整先行でどこまで押すかを見極めてからとなるのではないかと見ています。そうなると、やや低い水準から改めて買いとなり、金曜高値圏がレジスタンスとなってくるでしょう。

本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  135.60〜136.50
 ユーロ  1.0520〜1.0590
 ユーロ円 143.10〜144.10



配信日:2023年2月27日