デイリーレポート(2023年2月14日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明け東京市場では金曜の植田新総裁に対する評価も一巡し、就任当初は現在の緩和政策を継続していく可能性が高いという見方が定着したことによる円売りが続きました。日経平均株価が朝方の安値圏から大きく反発したことも円安に作用し、NY昼前には132.91レベルの高値をつけましたが、前週高値をわずかに更新したのみで反落、引けにかけては132円台前半へと押して引けました。

ユーロドルは東京市場では動きが鈍かったものの、欧州市場に入り欧州委員会が成長見通しを上方修正したことや全般的な株高の動きの中で欧州株も上昇したことによるユーロドルとユーロ円の買いも出たいたようでした。

ドル円は思った以上に円安が強まった印象でしたが、132円台後半では本日の米国CPI発表を前に利食い売りも出て、引けにかけて調整が入りました。植田新総裁への評価が一巡したとはいうものの、緩和維持という点についてはあまり過大評価すべきでは無いと考えます。黒田総裁の緩和政策をそのまま継続する可能性は無いと見られ、イールドカーブコントロール撤廃などを修正し緩和の縮小に向かうことは確実です。当面のドル円は大きく円高に振れることは無いでしょうが、どちらかというと上値が重くなりやすい要素の方が多いように思います。

ユーロドルは材料はあったものの、テクニカルな要因が大きかったと見られます。最近の上昇チャンネルの下限(サポートライン)で下げ止まり反転上昇したことで、引き続きチャンネル内での動きを継続しやすいと言えるでしょう。

本日はドルの戻り売りの動きを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  131.40〜132.30
 ユーロ  1.0700〜1.0770
 ユーロ円 141.00〜141.90



配信日:2023年2月14日