デイリーレポート(2023年2月13日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では動意薄でほとんど動きが見られませんでしたが、欧州市場序盤に植田元審議委員が日銀総裁に起用されるとの速報に円は急騰。それまでの131円台半ばでのもみあいから129.80レベルの安値をつけましたが、その後の同氏の過去の発言、さらには当日の緩和を支持する発言を受けて行って来いとなりました。その後は米金利の動きと歩調を揃え、130円台半ばへの押しを挟んで、東京市場の水準に戻して引けました。

ユーロドルは東京市場では下げた後の買い戻しの動きとなっていましたが、ドル円でのドル買い戻しをきっかけにユーロ売りの動きとなり海外市場では米金利上昇の動きからユーロドルはじり安となり、1.0666レベルまで下げ安値圏での引けとなりました。

木曜は日銀総裁人時の思惑で振れましたが、金曜は実際に決まったことでも振れました。両日とも雨宮副総裁の昇格人事では無いことから円買いが先行しましたが、植田元審議委員は過去にゼロ金利解除に反対票を投じたことや、速報後に緩和政策を支持するとの本人の発言もあったことから、行って来いとなりました。

国会で24日の質疑を経て最終的に就任が決まりますが、短期的には様々な思惑で動くかもしれないものの、長期的には緩和縮小に動くことは既定路線と考えられますし、海外の投機筋による催促相場も考えられますので、為替市場への影響はニュートラルからやや円高要因という見方が主流になっていくと見られます。

ユーロドルは上値が重たいものの、1.06台前半では下げ止まると見ています。本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  131.20〜132.00
 ユーロ  1.0630〜1.0700
 ユーロ円 140.00〜140.85



配信日:2023年2月13日