デイリーレポート(2023年2月6日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は雇用統計を前に小動きとなっていましたが、水曜に発表されたADP全国雇用者数が予想よりも悪かったことを懸念して上値が重く発表直前には128.33レベルの安値をつけていました。雇用統計は予想に反して非常に良い内容で失業率が3.4%、NFPは+51.7万人ととんでもなく強い数字となりました。この結果を受けて米金利は3.556%まで上昇、ドル円も131.20レベルまで上伸し高値引けとなりました。

ユーロドルは東京市場では若干上値が重かったのですが、欧州市場では予想よりも若干強かったサービス業PMI改定値をきっかけにポジション超背の買い戻しが出て雇用統計前には1.0940レベルの高値をつけていましたが、強すぎる雇用統計を受けて1.0793レベルまで売られて安値引けとなりました。

先週は月末月初というタイミングに加え、FOMC、英中銀MPV、ECB理事会と金融政策イベントが続き、最後の締めくくりで米国雇用統計となりましたが、FOMCでは利上げ最終局面を意識させるパウエル議長の発言で下げたものの、その後の欧州の金融政策イベントは比較的静かに通過し、最後の予想を大きく外れた強い雇用統計でドルの週間高値を更新しての週末クローズを見ることとなりました。

これを見て米国の引き締め終了が遠のいたと考えた市場参加者が増え、FF先物のピークもこれまでよりも0.25%上がり5.0〜5.25%まで上がってきました。ただ、ピークレートから第4四半期には緩和に転じるという見方には変化は見られず、年末は4.5〜4.75%とピークから0.5%下げるという見方になっています。

また週末に次期日銀総裁として雨宮副総裁に打診したとの報道があり、現在の黒田総裁路線が継続されることで早期の緩和縮小には動かないのではとの思惑から週明け早朝の為替市場は円売りで反応しています。1月日銀会合後のドル高値131.57レベルを上抜けてギャップアップでのスタートとなり132.48レベルの高値をつけました。すでに金曜安値から4円以上もの上昇となり、本日の高値圏は見たように思います。振れはありそうですが、本日はコアレンジとして以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  131.60〜132.60
 ユーロ  1.0750〜1.0840
 ユーロ円 142.00〜142.90



配信日:2023年2月6日