デイリーレポート(2023年2月2日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は朝方は若干売りが先行したものの下げきれず、その後東京市場ではじり高の動きとなりました。しかし、高値130.41レベルと前日高値は超えられず、米金利低下もきっかけにドル安方向へと反転、NY市場では予想よりも弱い経済指標も手伝ってFOMC前には129.18レベルまで水準を下げての発表待ち。

FOMCは予想通り0.25%の利上げと利上げ幅を縮小、声明では継続的な利上げが適切という文言は残りました。議長会見でも継続利上げについての言及はあったものの、いっぽうでディスインフレプロセスにも言及し、引き締め終了が近そうな印象を与えました。米金利は大幅に低下し、為替市場ではドル売りが強まり、ドル円は128.53レベルまで売られた後に後半に戻して引けました。

ユーロドルも基本的にはドル円と同様で、東京市場では下がり切らずにユーロ上昇へと転じFOMC前には1.0925レベルの高値をつけていました。FOMC後はユーロ高が進み高値1.1002レベルと大台に乗せた後に若干押して引けました。

FOMCは基本的にコンセンサスに沿ったものとなりましたが、継続的な利上げという文言よりも議長会見での引き締め終了に向かっていることを示唆する発言に強く反応しました。前回FOMC時の金利見通しよりもFF先物に見られる市場参加者の緩和への転換を今後は見込んでいく動きになっていきそうです。

本日の英中銀MPCとECB理事会では0.5%利上げは予想通りに実施されると見られますが、3月以降のスタンスについて利上げ幅縮小の示唆があるのかどうか、またパウエル議長会見で出たディスインフレといった単語が使われるのかといったあたりにも注目です。

本日はイベントが続き欧州通貨は慎重に取引せざるを得ないでしょうから、ドル円で上がっても下がってもドル売りという動きが、EC理事会までは最も可能性が高そうなシナリオでしょうか。本日も予想レンジは示さないでおきます。



配信日:2023年2月2日