デイリーレポート(2023年2月1日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場までは前日高値圏でのもみあいを続けていました、連日に金融政策イベント控えて積極的な取引は手控えられている様子でした。NY市場に入り発表された10〜12月期の雇用コストが予想よりも弱かったことをきっかけに米金利低下ドル安の動きとなり、昼過ぎには下げる前の水準まで戻したものの、引けにかけては再び上値が重たい動きとなりました。

ユーロドルは前日海外市場で下げた動きを受けて上値の重たい流れが続いていましたが、欧州市場に入りドイツ国債の利回りが低下したことから一段安、ストップも出た様子で一時1.0802レベルの安値をつけました。しかしドイツ国債の利回りはすぐに低下前の水準へと戻し、NY市場ではドル売りの動きからユーロは引けまでじり高を続け1.0875レベルまで戻し、高値圏での引けとなりました。

本日は注目のFOMCですが、0.25%の利上げは99%織り込み済み、次回3月FOMCで利上げ打ち止めとなるヒントが出てくるのか、あるいはそれ以降も利上げ継続を示唆するのか、声明とパウエル議長の会見に注目が集まります。

FRB関係者からはどちらかというとタカ派なコメントも目立ちますが、市場参加者のコンセンサスはFF(政策金利)先物の取引水準を見ても分かる通り、次回で利上げは打ち止め、そのごしばらくピーク金利で推移となります。ハト派な内容の場合には市場の予想に沿ったものとして大きな動きにはつながらず、なんでも好材料とする株式市場で買いが入るというところでしょうか。

ただ、タカ派な内容であったとしても、最大の注目は次回会合であることを菅んがえると、金利上昇、ドル買い、株の下げになるでしょうが、極端な動きにはならず、次は明日のECB理事会という流れになっていくのではないかと見られます。昨日の雇用コストの影響もあり、FOMCまでは若干ドルの上値が重たい展開が予想されますが、本日は予想レンジは示さないでおきます。



配信日:2023年2月1日