デイリーレポート(2023年1月24日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明け前場のドル円は前週末の流れを受けてやや上値が重たいスタートとなりましたが、後場に入り米金利上昇と日銀の共通担保オペ実施による円金利低下を受けてドル円は上昇、欧州市場序盤には130.31レベルの高値をつけました。130円の大台超えでは戻り売りも強くいったん129円台半ばまで下押し。その後は円売りから全般的などオル街の動きとなりNY市場では130.89レベルまで高値を伸ばし、若干押して引けました。

ユーロドルは東京市場ではユーロ円でも円売りが強かったことからじり高の展開となっていましたが、海外市場では米金利高によりユーロドルは水準を下げ、1.08台半ばへと下押し後、もみあいのまま引けました。ECB関係者のタカ派発言が出てはいたものの、値動きには影響していませんでした。

米金利上昇に加え日銀が1月の会合で導入した共通担保オペの拡充が思惑通り円金利の低下につながり、為替市場では円売りで反応しています。短期的には円金利上昇が抑えられるであろうことからいったんドルが底堅くなりそうですが、イールドカーブコントロールによる金利の歪みなど将来的には解消すべきことも多く、いつまでも金利上昇を抑えられるとも思えません。過渡的な緩和の延命措置といった感は拭えません。

ECB関係者からは次回理事会での0.5%利上げを支持するタカ派発言が目立っていますが、インフレは現時点ではまだ高いものの今後急速に低下していくであろうことを考えると次回が0.5%であっても、その後は利上げ幅縮小といった見方は続くと思われます。

本日は昨日の動きからドル円は押し目買いが入りやすそうですが、このまま上昇を続けていくとも思えず、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  129.70〜130.80
 ユーロ  1.0840〜1.0915
 ユーロ円 141.15〜142.05



配信日:2023年1月24日