デイリーレポート(2023年1月23日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は米金利上昇の動きとともにドル買いが強まり、黒田日銀総裁が緩和継続に言及したことも重なってNY市場朝方には130.61レベルまで上値を伸ばしました。ただ日銀会合後の下げを見たこともあって130円台では売りも出たことや週末前の利食いも入って、引けにかけては129円台半ばへ押しました。

ユーロドルは欧州市場まではドル円とともにユーロ円の買いも見られもみあいを続けていました。欧州市場ではドル買いの動きに引っ張られてユーロドルも下げましたが1.08は割り込まず、NY市場ではドル売りの動きから高値圏に戻しての引けとなりました。

ドル円は米金利上昇で買われ、その後黒田総裁発言も円安に作用しましたが、次回会合も含め緩和縮小の思惑も根強くドルの上値も限定的なものとなっています。黒田総裁は任期中に緩和縮小を口にすることは無さそうですが、市場参加者は既に次期総裁下における更なる緩和縮小を見込んでいますので、先週の日銀会合後の高値は簡単には超えていかないと見ています。

ユーロドルはECB関係者によるタカ派発言が続きますが、米国同様にインフレが急速に収束していくであろうことを考えると、ECBの利上げペースも減速する流れにあると見られ、1.09から1.10の大台の間で売りへと転じていく可能性が高いと考えられます。

本日はドル円は上値が重く、ユーロドルは短期的に高値に近いと考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  128.40〜129.50
 ユーロ  1.0840〜1.0925
 ユーロ円 140.00〜140.90



配信日:2023年1月23日