デイリーレポート(2022年12月16日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日引け間際のドル買いの動きを受けてドル買いが先行、欧州市場序盤に前日高値を上抜けると一連の欧州の中銀会合に向けてクロス円の買いも目立ちました。ECB理事会まで136円台半ばから後半でのもみあいを挟み、ユーロ円の上昇とともに138.19レベルの高値をつけ、引けにかけてはやや押して引けました。

ユーロドルは東京市場ではドル買いの動きによるユーロ売りが続きましたが、ECB理事会で0.5%の利上げは予想通りだったものの、タカ派的な声明を出し、ラガルド総裁も2月、3月と0.5%ずつの利上げを示唆したことでユーロが急騰、一時1.0736レベルの高値をつけました。しかし、その直後には景気後退懸念も出て1.0592レベルへと急反落。引けにかけては1.06台前半に戻しています。

ドル円は日米金利差拡大、日欧金利差拡大とドル円での買いとユーロ円での買いとが目立つ1日でした。先週高値は超えたものの138円台では戻り売りを考える向きも多く、目先の高値も見た様子です。ユーロドルはまさに乱高下ですが、理事会の声明と総裁会見はきっかけとなったものの、大きく仕掛けた向きがいたように思えます。

これで一連の金融政策決定会合は終わりましたが、高金利をストレートに買いと取るか、その結果オーバーキルされて景気後退に目を向けるか、しばらくは両者の綱引き相場になっていきそうです。20日の日銀会合でのサプライズは無いと思うものの、出口戦略につながるような発言が出たりすると急速に円高に振れる可能性もあり、待ちたい向きも出てきそうです。

いずれにしても欧米はクリスマスに向けて参加者の減少と流動性低下になりますので、荒っぽい動きが続くであろうことには注意が必要でしょう。

本日はやや円高方向への調整が入ることを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  136.80〜137.70
 ユーロ  1.0590〜1.0690
 ユーロ円 145.60〜146.60



配信日:2022年12月16日