デイリーレポート(2022年11月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は東京前場こそ前週末終値近辺でのもみあいが継続していましたが、後場以降はじり高となり欧州市場前場は米金利上昇の動きも手伝ってドル買いが加速、NY朝方には142円台に乗せました。その後米金利は急速に低下後に再上昇と行って来いの動きを示す中、ドル円はやや下押し後に買い戻され142.25レベルの高値をつけ、そのまま高値圏での引けとなりました。

ユーロドルは金曜NY市場の下げを続け仲値過ぎに木曜安値を割り込むとドル買いの動きにユーロ売りのストップオーダーも加わって一段安となりました。欧州市場前場に1.0226レベルの安値をつけた後に若干の買い戻しを挟んで、NY昼過ぎには1.0223レベルとに中安値をわずかに更新し安値圏での引けとなっています。

ドル円が思いのほかドル高の動きとなりましたが、目立った材料が無くなるとこれまで同様に日米金利差拡大に目が向きやすくなります。金曜にはFRB関係者のタカ派発言が続いたこともあってドル買いが出たということでしょう。ただこのまま上がり続けるのかというと個人的には否定的です。米国CPIが出た翌日東京全場でドル買いが入った際に財務省から牽制発言が出たのが142円台前半です。おそらくインターバンク勢もそのことを覚えていると思いますので、142円台前半では利食い、あるいは新規のドル売りが出ると見ています。

ユーロドルも同様でECBとFRBの利上げペースが同じであったとしても絶対的な金利差は米金利だかという事実があることや、欧州のほうがよりリセッションリスクがあること、ウクライナ問題もあるなど、ユーロ売りが出やすい流れになります。昨日の動きを見ていると1.02台前半では目先は下位が出やすいという点でドル円同様に本日のところは昨日のドル買いに対する調整のドル売りを考えています。

本日はドル売りが先行しやすい流れを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  141.10〜142.10
 ユーロ  1.0225〜1.0300
 ユーロ円 145.00〜145.70



配信日:2022年11月22日