デイリーレポート(2022年10月24日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場まで日米金利差拡大思惑を背景としたドル買いが続き、NY前場には米10年債利回りが4.335%まで上昇し、ドル円も151.94レベルへと高値を切り上げました。その後WSJの12月利上げ幅縮小観測記事に反応し、米金利低下とドルの頭打ちの動きが始まったところに介入が出たことで146.1レベルまで急落し、引けにかけては147円台半ばに戻して引けました。

ユーロドルもドル高の流れの中でじり安の流れを続け、米金利がピークをつけた際には0.9705レベルと週間安値を更新しました。その後WSJの記事をきっかけに一転ドル売り・ユーロ買いの動きとなり、ドル円での介入によるドル売りも加わって0.9869レベルまで買い戻され高値圏での引けとなりました。

ドル円はこれまでも覆面介入ではといった噂は出ていましたが、金曜NY市場では9月の介入に続いての大規模介入が実施されました。その後戻して週明けに149円台後半へとドル買いが継続したところで再び介入が出たとみられ、一時145円台半ばまで下押ししました。下がったところはカウンターでドル買いと考える参加者が多いことから介入でドル買い意欲を削ごうという動きでしょうが、最大の材料である日米金利差に長期的に変化が見られないということで、介入が無ければドル買いという動きも簡単には収まらないでしょう。

ユーロドルは早朝のドル円でのドル売りに引っ張られて先週高値を一時的に上回り0.9899レベルの高値をつけましたが、0.99水準はこれまで何度も反落を見た年初来高値からのレジスタンスラインが位置しているため、戻り売りが出やすい水準です。本日のところはここを超えてのユーロ買いは難しいと見られます。

本日のドル円介入以降は以下のレンジを考えておきます。
 ドル円  147.00〜149.50
 ユーロ  0.9790〜0.9890
 ユーロ円 145.00〜147.00



配信日:2022年10月24日