デイリーレポート(2022年9月29日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場ではほとんど動きが見られず144円台後半の狭いレンジの中でのもみあいを続けました。NY市場では4%台に乗せていた米金利が3.6%台まで低下する動きとともにドル売りの流れとなり、143.90レベルまで下押し後に若干戻して引けました。

米金利低下の動きとともに前日の上昇に対する調整から欧州市場序盤には144.06レベルまで水準を下げました。海外市場では米金利が上昇に転じたこと、また先週の介入金額が過去最大との予想が前日出たことから効果は限定的との見方も広がり、ドル買いの動きも根強くNY市場では144.90レベルまで上昇後、若干押して引けました。

昨日はドル円よりもポンドを中心に欧州通貨の動きが目立った1日でした。英中銀のQE再開発表をきっかけにポンドは上昇に転じてはいますが、いつまで効果が続くのかは疑問で、米国もIMFを通して英国の減税規模縮小を働きかけるとしています。

短期的にはポンドは史上最安値を見た達成感から買いも出てくるでしょうが、ファンダメンタルな部分が変わるわけではなく、上がり切らないと再びポンド売りの動きが出てくることになります。こうしたことはドル円も同様で、いまは半期末を控えて動きが鈍くなっていますが、10月以降はまたどこで年初来高値を更新してもおかしくありません。

本日は月末を控えてあまり大きな動きは考えていませんが、昨日同様に欧州通貨を中心とした動きになりそうです。その欧州通貨は戻り売り、ドル円は横ばいを考え、本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  143.80〜144.70
 ユーロ  0.9600〜0.9720
 ユーロ円 138.80〜140.00



配信日:2022年9月29日