デイリーレポート(2022年9月28日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は米金利低下の動きとともに前日の上昇に対する調整から欧州市場序盤には144.06レベルまで水準を下げました。海外市場では米金利が上昇に転じたこと、また先週の介入金額が過去最大との予想が前日出たことから効果は限定的との見方も広がり、ドル買いの動きも根強くNY市場では144.90レベルまで上昇後、若干押して引けました。

ユーロドルも東京市場ではドル売りの動きからユーロの買い戻しが先行しましたが、欧州市場に入りノルドストリームでガス漏れが発生しているとのニュースに天然ガスが大幅高となり、ユーロドルは売りに転じました。その後もイタリアの政治など新たな不安材料も出てきたことからユーロは上値が重たいままで引けました。

ドル円の介入金額は前日に資金移動予定額から逆算すると3兆円を大きく超えるとの見方が示され、初回介入のサプライズと金額規模を考えると、引き続き円安は簡単には収束しないという見方が広がっています。1997〜1998年はアジア通貨危機、今回は米金利上昇と環境は異なるもののどちらも長期的な要因で今回も早晩先週高値を上抜けるのではないかという見方が増えてきました。

ユーロドルも英国のポンド史上最安値とトリプル安、イタリアの右派連合による組閣への懸念など、これまでのユーロ悪材料に更なる材料が出ているところにノルドストリームのガス漏れと、戻り売りが出やすい地合いとなっています。週初の安値は東京早朝でダマシっぽい動きでしたが、本日にも改めて安値トライをする可能性は高いでしょう。

本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  144.00〜145.10
 ユーロ  0.9520〜0.9610
 ユーロ円 138.00〜139.00



配信日:2022年9月28日