デイリーレポート(2022年9月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

前日の米国CPI発表後のドル買いは昨日も早朝まで続き一時144.96レベルの高値をつけました。しかし前回同様に145.00にはオプション絡みのオーダーがあることから144.95〜99レベルでのドル売りが見られ徐々に上値が重くなっていました。東京前場に財務官が円安牽制発言を行うと114円台半ばへと反落、すぐに買い戻されたものの145円手前では相変わらずドル売りが出てくる中、日銀によるレートチェックが行われたとのヘッドラインをきっかけに再びドル円は反転下落。その後もこれまでよりも一段強い動きを見せたことからNY昼前には142.55レベルまで水準を下げ、やや戻して引けました。

ユーロドルも前日CPI後のドル買い・ユーロ売りから早朝に0.9955レベルの安値をつけました。ドル円でのドル売りが強かったことからユーロドルでもドル売り・ユーロ買いとなっていましたが、ユーロ円での円買いも強かったことからユーロドルの値幅は限定的なまま終わっています。

ドル円は145円手前で2度上値を抑えられたことで当面は145円手前をドルの高値とする動きが続きそうです。財務省はさすがに円安への警戒感を高め、日銀に指示してレートチェックをおこなったようですが、実弾介入ができないのでせめてレートチェックでもしてドル高のスピードを緩めたいというところでしょう。実弾介入へのハードルは相当に高いでしょうから145円で出てくるとは思えず、しばらくは140〜145円水準で時間稼ぎ作戦と見られます。

ユーロは新たな材料が無い中でドルの動き(ユーロドルでのドル売り)と円の動き(ユーロ円での円買い)とがユーロの動きを相殺する形となり、動きが見られませんでした。しかし、ドル円で上値が重くなるとユーロ円も上値が重くなりますし、欧州の景気後退リスクは高いままであることを考えると、ユーロドルも戻り売りが出やすい流れにあると考えられます。

本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  142.50〜143.50
 ユーロ  0.9925〜1.0010
 ユーロ円 142.00〜143.20



配信日:2022年9月15日