デイリーレポート(2022年9月12日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は週末前のポジション調整を中心に東京前場からドル売りが先行、米金利低下や黒田日銀総裁による円安牽制発言も手伝って欧州市場昼頃には141.50レベルまで水準を下げました。その後は米金利が上昇に転じ、NY市場ではFRB関係者によるタカ派発言も続いたことから142円台半ばから後半でのもみあいでの週末クローズとなりました。

ユーロドルは前日ECB理事会における大幅利上げと今後も利上げが続くであろうとの思惑が改めて意識されユーロ買いが先行、ドル円でのドル売りの動きもあって欧州市場序盤には1.0113レベルの高値をつけました。その後は根強い景気後退懸念と週末前のポジション調整とで1.00台半ばでのもみあいのまま引けています。

先週もドル円は週間レンジが5円近くと相変わらず大きな動きが続いていますが、年間レンジでも31円を超え、率にすると27%を超え変動相場制移行後歴代3位の変動率となりました。短期的には先週の144.99レベルと145円を1銭差で試せずに反落したことから、目先は調整局面に入ったと考えられますが、来週のFOMCでは0.75%利上げ織り込み度が88%に達していることを考えると、下値も限定的というところでしょう。

ユーロドルも次回0.5%〜0.75%の利上げと、それによる景気後退とを考え方向感が出にくい流れですが、結局のところは米ドル買いという動きになりやすい流れにあるでしょう。短期的にはドル円とともにユーロ円の調整も入りそうですから、徐々に上値が重くなる流れでしょうか。

本日は3主要通貨ペアともにもみあいも上値が重くなりやすいと考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  141.60〜143.15
 ユーロ  1.0010〜1.0110
 ユーロ円 142.60〜144.20



配信日:2022年9月12日