デイリーレポート(2022年9月8日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は昨日も欧州市場昼頃まで一貫して円売りが続きました。144円と145円にオプションがらみのオーダーが入っていると伝えられ、144円はあっさり当話抜けたものの、145円を目前に試し切れずに高値は144.99レベルまで。NY市場ではユーロドル買い戻しの動きもあってドル円は143円台半ばまで下押しして引けました。

ユーロドルはNY市場までは0.99を挟んで上下する動きとなっていましたが、ロシアはエネルギーを武器にしない、部品が揃えばノルドストリームはすぐに再開する、ノルドストリーム2の計画再開にも前向きといった話が伝えられ、欧州天然ガス市場が下げると、ユーロドルは高値1.0011レベルとパリティを回復しそのまま高値圏での引けとなりました。

ドル円は145円の大台を試し切れずに日計りドル買いポジションの調整が出た感じですが、NY市場での押しは143.67レベルまでで、引け後には改めて144円台に乗せる動きを見せています。またユーロドルはロシアからの発言を好感しユーロ買いに動きましたが、本日は注目のECB理事会もありますし、パウエル議長の講演もありますので、NY市場までは積極的には動きにくいと思われます。

現時点でのコンセンサスはECBは0.75%の利上げと今後の景気後退リスクに対する言及、パウエル議長はジャクソンホールでの講演からの大きな変化は無いと見られ、具体的な利上げ幅への言及は無いものの0.75%利上げを見る向きが多数派という状況です。

ドル円も145円の大台を通過して一気に1998年高値の147円台半ばをトライするとも思えず、さすがにそろそろ調整のドル売りが入るのではないでしょうか。ECB理事会、ラガルドECB総裁会見、パウエル議長講演と重要イベントが続くため、本日は予想レンジは示さないでおきます。



配信日:2022年9月8日